図々しい奴

名称 図々しい奴
よみ ずうずうしいやつ
区分 テレビ番組
分類 実写ドラマ
付帯分類 一代記もの:立身出世もの:戦中戦後もの
放送局 TBSテレビ
放送年月日 1963/6/3~1963/9/9 (15回)
形態 毎週一回
曜日時間 月22:00~23:00 (60分)
映像 白黒
音声 単音
制作会社 大映テレビ室TBS
提供 三菱電機
音楽 竹村次郎
脚本 柳沢類寿ほか
監督 枝川弘ほか
編集 椙本英雄
照明 堀源吉ほか
撮影 杉山伸二
効果 高野藤次
制作主任 風間孝雄
プロデューサー 香取雍史

主題歌

区分 曲名 作詞 作曲 編曲 歌唱 正規収録盤
OP1 図々しい奴 青島幸男 萩原哲晶 竹村次郎 谷啓 キングレコード(EB-953)
OPは番組開始時 EDは番組終了時 枠OPは放送枠開始時 枠EDは放送枠終了時
  • レコード版はテレビ版よりもゆっくりしており、印象がかなり違う作りとなっている。テレビ版の竹村とは編曲者が異なるためと思われる。

主な出演者

  • 戸田切人(とだ・きりひと)=岩上正宏丸井太郎
    馬小屋で生まれた極貧の子。名前はキリストをもじっている。長じても岡山弁を使うのが特徴となっている。
  • 伊勢田直政(いせだ・なおまさ)=杉浦直樹
    切人が目標としたお城に住む旧藩主の若様。天涯孤独となった切人の後見者となる。
  • 美津枝(みつえ)=久我美子
    直政と惹かれ合いながらも結ばれぬ麗人。切人の憧れの女性で、病身となってからは成功した切人が引き取り、世話をする。
  • 麻理耶(まりや)=利根川澄子花井弘子
    女浮浪者が産み落とした子で、火災の中から切人が救い出す。母親はその時に焼死。直政の言いつけで切人と許嫁となる。
  • 三田村荘吉(みたむら・そうきち)=菅原謙二
    大陸で馬賊をしていたという豪傑。汽車中で切人と知り合う。
  • 語り=永井一郎
    主として冒頭でのあらすじ紹介などを読み上げる。

概説

 柴田錬三郎が昭和36年に週刊明星にて連載していた小説が原作である。
 馬小屋で生まれた貧窮の子は切人と名付けられ、顔も頭もあまり良くないが、亡き父親の残した大黒様を心の支えに、逞しく病気がちの母親と暮らしていた。彼の夢は、辺りを見下ろすデッカイ旧藩主の住むようなお城を自分の手で建てること。
 切人は偶然、その憧れの旧藩主・伊勢田家の若様が寝そべっている原っぱで小便をしてしまい、母親ともども大いに責めを受けた。その家の貧しさと、それにめげぬ切人の逞しさに惹かれたか、直政は段々と切人に興味を抱いていき、彼の母親が死んでからは後見役となった。
 成長した切人は皇室御用達の由緒ある和菓子屋に奉公に出て、短期間で要領を掴んでしまう。そして、理不尽な我慢を強いられる奉公先を早々に飛び出すと自力で和菓子を作り、兵隊向けの女人型羊羹が大いに売れて成功する。
 そんな彼にも召集令状が来て戦地へ駆り出され、命からがらの目に遭うもなんとか脱出して生還、終戦を迎えた。
 戦後は価値観が大きく変わり、あの伊勢田家は段々と衰退してゆき、反対に、生まれも育ちも最低だった切人のような男が、自分の才覚で観光事業で成功してゆく。
 戦前・戦後の金持ちや身分制度のあり方の変化などを根底に描いていると思われる作品。

挿話

  • 映画版
    『図々しい奴』は原作が週刊明星連載中の昭和36年春に松竹にて最初の映画化がされているが、その際の主演は本作で伊勢田直政を演じた杉浦直樹。
    更に本ドラマの大ヒットを受けて昭和39年正月映画として東映が制作したものには、本作の主題歌を歌っていた谷啓が主演しており、杉浦直樹も伊勢田直政役で出演。
    結局、杉浦は昭和の『図々しい奴』全映像化作品で大事な役を演じたことになる。
  • 制作費
    本作は『人間の條件』『球形の荒野』に続く大映テレビ室とTBSの共同制作ドラマ第三弾で、制作費が『人間の條件』の230万円を上回る一本250万円という過去最高額として話題となった。*1
  • 原作料
    本作は13本契約となっており、1話あたりの原作使用料が5万円、総計65万円が大映側から(当時テレビ室は大映配下)柴田錬三郎に支払われた。*2
  • 原作者出演
    原作中では作者本人がモデルという柴田錬三郎という兵隊が登場するが、その場面で大映テレビ側が、原作者本人への出演を依頼した。作者は大事な役なのでこなせないと断った。すると大映テレビ側は劇中人物の名を練三郎と練の字に替えて別の俳優を宛てがい、作者には改めて、その上役である曹長役での出演を打診した。曹長と言えば兵営内では神様に近い存在であり、兵隊時代に上等兵だった作者は、四階級特進だと喜んで、つい出演を引き受けたという。*1
    なお、作者の柴田錬三郎は最終回で作家・柴田錬三郎役本人でも出演し、主人公の戸田切人を励ますという演出が有った。
  • 続編と再放送
    本作は当時の記録を塗り替える40%前後の視聴率を記録する大ヒットのため、続編制作が報じられた。それによれば、全13本制作のところを更に13本制作し、それは翌昭和39年正月から開始の予定であったが実現はしなかった。*1
    本作放送終了後すぐに、TBSでは毎週土曜13時半から、七ふく提供で再放送されている。
  • しゃあけえ大ちゃん
    主人公・戸田切人の少年時代を岩上正宏という当時小学6年生の少年が演じたが、その演技が非常に達者で、数回でいなくなるのは惜しいという制作側の声も出るほどであった。*1
    本作の異常な人気の高まりを受ける形で、昭和39年7月から『しゃあけえ大ちゃん』という、岩上を主役とした子供向け番組が始まった。
    そこでの岩上は、本作出演時の雰囲気そのままの着物姿に、「しゃあけえ」などの岡山弁を使う設定もそのままというものだった。

当記事出典

*1 読売新聞縮刷版
*2 原作使用契約書(当記事執筆者ごいんきょ所有資料)

  • 最終更新:2016-01-17 09:54:01

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